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杏に耳かき

懲りずにまたモバマス二次創作。

双葉杏
http://idolmaster-cinderellagirl.net/%A1%CE%A5%CF%A5%ED%A5%A6%A5%A3%A5%F3%A4%D7%A4%C1%A5%C7%A5%D3%A5%EB%A1%CF%C1%D0%CD%D5%B0%C9.html

とても可愛い。
前書いた小梅のやつとはまた別。杏超可愛いと思う。
6,000字は越えていない感じ。

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 部屋の呼び鈴を押す。起きていれば、とわずかながらの期待は裏切られた。いつもどおりである。
 止められないため息を口から漏らしつつ、ポケットからキーケースを取り出す。そこそこ増えてしまった鍵の中から目的のものを探し出し、鍵穴に入れて、回す。ガチャリ、と小気味の良い音がする。
 ドアノブを回し、引っ張る。ガチャ、と手応えと共にドアが……開かない。
 もともと鍵が開いていたのだろうか、もう一度回して慌ててドアを開けて玄関に入る。
 昨日、送っていったときには揃っていたはずの靴はぐちゃぐちゃに散らかされている。何かあったのだろうか、と靴を揃えるのも煩わしく思いながら、慌てて部屋に入る。
 こたつを中心には円形状に脱ぎ散らかした服が散らばり、天板の上には食べかけのコンビニ弁当と開いたままのDSが置いてある。服を踏んでしまわないようにこたつに近づくと、こたつに顔を半分まで埋めて、迎えにきた対象が眠っている。何事もなかったことに少しホッとしつつ、幸せそうに眠っている姿を見ていると怒りがこみ上げてくるのを感じる。
「あーんーずー、起きろぉぉぉぉおぉ」
大声を出して杏の肩を軽く叩く。
「んあ……」
 気持ちよさそうに眠っていた眉間に軽く皺が寄り、こたつにさらに潜ろうとする杏の肩を掴んでこたつから引きずり出す。
「杏、起きて準備しろー、今日はちょっと早いって言ってただろー」
「んあ、プロデューサー?」
寝ぼけた様子ではあるが、杏が反応する。
「そうだ、仕事行くぞー」
「やだー、今日は休むー、昨日仕事したんだから今日休みで良いじゃん」
「そういかん、さぁ、着替えて準備しろ。事務所で打ち合わせするぞ」
 こたつから杏を完全にひきずり出した。Tシャツはまくれ上がり、スパッツが少しずれ下がって下着が見えている。
「いやだー、プロデューサーのへんたーい。また杏のパンツ見たー」
「はいはい。ほら、早く用意しろー、飴やらんぞー」
「そうやって、すぐ杏には飴やってれば良いって言うー」
「じゃあ、ぽたぽた焼もつけよう」
「そういう問題でもないよ」
「じゃあ要らないんだな」
「そういう問題でもないってばー」
「じゃあ早く着替えなさい」
「むー、面倒くさいなー」
 いつも通りなやり取りをしてから、もぞもぞと杏が動き出す。その姿を確認してから、散らかっている服を洗濯機に入れる。視界の隅に食べかけのコンビニ弁当に手をつけはじめる杏の姿が入る。
「杏、宵越しのコンビニ弁当を食べるな。というかアイドルなんだからもうちょっと食生活に気を使えって言ってるだろ」
「えーっ、だって残すの勿体ないよ?朝にご飯用意するのも面倒だし、大丈夫だよ」
「ほら、途中でコンビニ寄って軽いご飯ならやるから。行くぞ」
「えー、飴はー?」
「後でな」
 少しばかり残っていたコンビニ弁当を平らげ、もぞもぞと着替えはじめた杏を確認して、腕時計を見る。少しばかりぐだぐだすると予想して早めに出たから、少しだけ余裕がある。
「着替えたらさっさと行くぞ、早く終わったら飴やるから」
「はいはい」
「さっきコンビニ弁当食べてたけどまだ食べるか?」
「要らない」
着替え終わった杏を確認して玄関へと向かう。
「ほら、いくぞ」
「飴はー?」
「車でやる」
 そう言って、杏の不満げな声を無視して外に出る。面倒くさそうに靴を履いて面倒くさそうに扉の鍵をかける杏を急かしながら、車へと急ぐ。
 車のエンジンをかけながら後部座席に杏を座らせる。
「車乗ったけど飴はー?」
「ダッシュボードに入れてたと思うけど置いてなかったから事務所でな」
「えーっ、プロデューサーの嘘つきー、せっかく杏やる気出したのに飴くれないとかもうやだー。帰るー」
 ぶーぶー言う杏を適度に宥めながら事務所へと急ぐ。あ、カバンの中にこの前もらったお菓子が入っていたような。信号待ちの間に助手席のカバンを漁る。源氏パイの小袋が2つ入っていた。そのうちの1つを取って杏に渡す。
「ほら、これでも食べとけ」
「あ、源氏パイだ。これ美味しいよね。さすがプロデューサー」
 赤から青に変わり、アクセルを踏み込む。お菓子を食べている間は杏は静かになるので非常に楽である。
 
 数分のドライブの後、事務所に着く。車を止めて、後部座席に座っている杏を見る。口元に源氏パイのカスをつけて目を瞑っている。シートの上に源氏パイのカスが少し散らばっていて悲しくなるが、とりあえず声をかける。
「ほら、杏。着いたぞ。起きろ」
「ん、もう家着いた?あぁ、今日もお仕事頑張ったなぁ」
「仕事はこれからだろが」
「えーっ、帰ろうよー、疲れたよー」
「仕事終わったら帰ろうなー、それとも歩いて帰るか?」
 渋々、と言う形で杏が着いてくる。才能もあるのに仕事へのやる気がないのだけが大きな問題だ。
 杏を連れ歩いて事務所に入る。ちひろさんも出払っているようだ。
「事務所着いたぞー、飴くれー」
 妖怪飴くれお化けである。机の上に置いていたミルク味の飴を1つ取り出し、杏に渡す。
 杏は受け取った飴を高速で剥き、中身を口に放り込んだ。
「うーん、甘くておいしー。さぁ、美味しい飴も貰ったし今日は帰ろう!」
「はいはい、杏、打ち合わせだぞー」
 杏の腰に手を回して持ち上げて会議室まで連れていく。
「杏はものじゃないぞー、やめろー、セクハラだー。あ、でもこれはこれで楽かも」
 騒ぐ杏を無視しながら会議室まで連れていく。こいつ本当に食っちゃ寝してるのに軽いな。
 いつもどおり、一方的に予定を伝える打ち合わせが終わる。
 机に突っ伏してだらけている杏の仕事が始まるまではもうちょっと時間があるが、ただただだらけさせるのも良くない。
「よし、仕事までもうちょっとあるけど寝るなよ」
「えー、疲れたし寝かせてよ。良いじゃん、休もうよ」
「ほら、飴食べるか」
「そうやってすぐ飴で誤魔化すんだからー」
 そう言いながらも杏は飴に手を伸ばし、口に入れる。今度はいちごキャンディーである。
 口をもごもごさせながら、杏は机に突っ伏してだらーっとしている。まぁ、仕事の時間までは良いかな、と思ったとき、杏の耳の中が見えた。外からでも耳あかが見える。
「おい、杏。お前……最後に耳かきしたのいつだ」
「えー、耳かき?覚えてないなー、いつだったっけー」
「めっちゃ溜まってるじゃないか」
「面倒くさいから良いよー、それよりも休みたいんだけど」
「そんなこと言うなよ、アイドルならちゃんとしないといかんだろ。ほら、耳かきあるから」
 竹製の耳かき棒とティッシュを杏に渡す。杏は面倒くさそうに受け取ってそのまま何もしようとしない。
「おい、ちゃんとしないといかんって」
「そんなこと言われてもしょうがないじゃん。面倒だからプロデューサーがやってよ」
「おいおい……」
「だって、しょうがないじゃん、自分じゃ見えないんだもん」
 だらけまくってる杏はこのまま放置していても何も進まないだろう。
 しょうがない、と杏を再び抱えて事務所のソファーに連れていく。
「おー、やってくれるのー?」
「しょうがないだろ、ほら」
 ソファーに座って、杏に膝枕しながら耳を引っ張る。
「あ、ちょっ、そんなに強く引っ張ると痛いってば」
「見えにくいからしょうがないだろ、我慢しろ。……よし、始めるぞ」
 やはり、中はそこそこ汚れていた。耳かきを杏の小さい耳の穴に入れてゆっくりと耳壁をなぞるように掻きだす。
「あ、ちょ、くすぐったいかも」
「それは我慢だ。痛かったら言えよ」
 少しずつ掻きだしてはティッシュになすりつける。
「あんまりやりすぎるのは問題だけど全くしないのもなぁ」
「やり過ぎたりとかしないから別に良いよ」
「杏に限ってはそうか。でもせめて2週間に1度はしたほうがいいらしいよ」
「えーっ、面倒くさいからプロデューサーがやってよ、ん、そこちょっとかゆい」
 痒いと言われたところで少し手を止め、ちょっとだけ力を加えて掻く。
「あ、ちょっとズレてる、も、もうちょい右、あ、行き過ぎ、そう、そこそこ」
 ちょうど痒いところを掻けているのか、杏の声がちょっとだけ高くなる。
「あー、気持ちいい」
 何度も何度も耳かき棒を往復させ、その度にティッシュの上に耳あかが溜まっていく。
 目に見える大きな耳あかは大体取れただろうか。ちょっとずつ細かい粒が耳のあちこちにあるのが見える。
「うーん、ちょっと細かい粒が多いな」
「ん?もう終わり?」
「いや、ちょっと梵天入れるぞ」
 梵天側を杏の耳の中に入れた瞬間、杏の身体がビクッと反応した。手が止まる。
「んあ、何これ、くすぐった」
「ああ、梵天入れてるからな、動くなよ」
 細かいカスを巻き込むように軽く回すようにしながら耳壁をなぞる。
「あ、ちょ、それ、何これ、すっご、気持ち、くすぐった、あ」
 言葉にならない声で杏が悶える。時折取り出しては指で弾いて粉をティッシュの上で落とす。なんとなく自分の手で杏が反応するのが楽しい。
「ちょ、プロデューサー?な、なんか楽しんでない?」
「そんなことないぞー、楽しいけど」
「そんな、じゅ、重点的にそんなことしないでもいいじゃん」
「そうだな、これくらいでこっちは終わりかなー」
 いろいろな角度から杏の耳の中を眺めて、そこそこ綺麗になったことを確認する。梵天で取れなかった小さなカスを確認し、ふーっと息を吹きかけた。
「うわっ、プ、プロデューサー、何するの」
 杏の不満を無視して、角度を変えつつ何度か息を吹きつける。そのたびに杏の身体がびくっとなるのが面白い。
「よし、こっちは終わりだ、反対もやるぞ」
 向こうを向いていた杏が顔を非難したげに睨んでこちらを向く。くすぐったくて少しだけ暴れたせいなのか、少しだけ頬は赤く染まっていた。向こうを向いた杏の耳を髪の毛が覆っている。普段はあまり考えないのだが、杏の髪はなかなか長いな、と意識する。変な癖が付くのも良くないから、耳を覆う髪の毛に手を入れて首筋のほうへ流す。特に何の手入れをしているわけでもなさそうなのだが、髪の毛は柔らかく、さらさらとしている。そのまま何度か撫で付ける。
「んー?プロデューサー?どうしたの」
「いや、気持ちいい髪だな、って思って」
「ふふーん、でしょー?特に何もしてないけど。仕事やめてずっと撫でてもいいんだよー」
「はいはい、そうだな、じゃ、耳かきするぞ」
 さっきと同様に、まず杏の耳たぶをつかみ中を観察する。
「こっちもそこそこ汚れてるなー、ちょっと時間も無いしサクサクやるぞ」
「はいはい、杏としては仕事せずにずっとこのままでもいいんだけどね」
 先ほどと同じように耳かきをしていく。進めば進むほど視界の端に見えてる杏の目がとろんとしていっている。ちょっと奥のほうに大きめの塊があるように見えた。
「奥に大きいのがある。動くなよ」
「ん、分かった」
 お腹のあたりで声を感じる感覚は、少しだけ自分もくすぐったいかもな、と思いながら、耳かき棒を奥のほうに差し込む。大物にさじの先を引っかけて耳壁から剥がすようにゆっくり、ゆっくり、と意識しながら擦って行く。ゆっくりと擦るたびに杏が身じろぎしているのを感じる。頬を強く膝に押し付けてきているように感じる。ちょっとずつ、ちょっとずつ、と手前に出てくる。あと、ちょっとだ、と思った瞬間に、ぽろり、と小指の爪の半分くらいの大きさの耳あかが落ちる。これは大物かもしれない。
「おお、大きいの取れたな」
「あぁぁ、痒いよ、ちょっと、早く中掻いて」
「はいはい、分かったから動くなよ」
 先ほどより少しだけ強めにカリカリと掻く。
「あ、ちょっと痛、あ、でも気持ちい」
「ん、痛いか、優しくしたほうがいいか?」
 手を止めて答えを待つ。
「あ、さ、さっきくらいで良いから早くやって」
 先ほどより気持ち力を入れずに耳壁を掻きあげていく。こっちの耳もそこそこの汚れていたからか、ティッシュと耳の中の往復が激しい。杏の頬はちょっと赤く染まっているように見える。
「よし、こっちも大体良いな、梵天入れるぞ」
 こくり、と頷いたのを確認して梵天を入れる。先ほどのようにこそばゆそうにしながらも、杏は目を軽く閉じていて大変気持ちよさそうだ。
 ある程度細かいカスを取り除けたように見えた。
「よし、これで良いかな、終わりだぞ」
「えっ」
 杏が素っ頓狂な声をあげる。
「ん、どうした?まだなんかあったか?」
「い、いや、プロデューサー。べ、べつにしなくても良いんだけど、しないのかな?って」
「ん、何をだ?」
「いや、その、ほら。さっきしたじゃん」
 んー?何をしたんだっけか、と考えていたところ
「ほ、ほら、ふーってやつだよ。べ、べつにし、しなくても杏としては良いんだけどさ」
 それくらいなら、と耳たぶを強くつかみなおして、ふーっと息を吹きかける。
「あ、急にやるなんて、うひっ」
 ちょっとだけ杏が暴れていたが、何度かふきかけていく内に抵抗しなくなった。
「よし、終わりだぞー」
「うー、プロデューサーのおにー、あくまー、きちくー」
「おいおい、人聞きの悪いこと言うなよ」
 そう言いながらも離れようとしない杏の頭を撫でる。
「そうやってすぐ女の子の頭撫でるんだからさ」
「ん、嫌だったか?」
「そういうわけじゃないよ。むしろもっと杏を甘やかすと良いと思うよ」
「はいはい、杏様がもっともーっと仕事がんばってくれるなら甘やかせるんだけどなー」
「むー、杏が頑張るために必要なのは飴と飴だよ。だからもーっと甘やかしてよ」
「そうだな、仕事がんばってくれるなら考えるよ」
 さらさらとした髪を撫でつつ、耳あかを取ったティッシュに目をやる。
「やっぱり結構取れたなぁ」
「ちょっと、プロデューサー。デリカシーないんじゃないの、杏のそんなの見て喜ぶなんて趣味悪いよ」
 杏がティッシュを掴んでくるくると丸めて手に握りしめた。
「そんな趣味の悪いプロデューサーは杏をもーっと甘やかすんだ!杏はそういう日々を要求する!」
 上を向いた杏は見上げながらそう言って、にやにやと笑った。
 ぺしっ、とデコピンをして。
「そういう風になれるようにもーっと仕事しようなー」
「えーっ、休もうよー」
「よし、そろそろ仕事の時間だし行くぞ」
「疲れたー、休むー」
「さあ、行くぞー」
 有無を言わさず、杏をお姫様抱っこの形で抱え込んで運ぶ。
 普段と違う抱え込み方に恥ずかしがっている杏を無視して移動する。抗議を受け入れられない、と思ったのか杏は顔を胸に押し付けて、スーツの襟のあたりを掴んで静かに丸まった。

おしまい。




3/28に備えて小梅SS書いてたと思ったら杏SSが出来てた。
何を言っているかわからないけど杏が可愛くてしょうがないから別にいいか。

次書くのは確実に小梅。
アイデアがあるのは幸子、菜々さんあたり。
あ、でも別方向の杏も書きたいテーマが1つなんとなく浮かんでる。うーむ、時間とやる気の問題かなぁ。


それにしても小梅抱きしめながらホラー映画鑑賞とかしたいですねえ……



by kyoukou_hac | 2013-03-20 18:52 | 二次創作
なんかSS垂れ流してます
by kyoukou_hac

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